感染症学雑誌
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小児臨床検体由来Haemophilus influenzaeの抗菌薬感受性に関する検討
星野 直須藤 扶佐代澤田 恭子末吉 沙織中村 明
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2004 年 78 巻 11 号 p. 943-951

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抄録

過去4年間に小児臨床検体より分離されたHaemophilus influenzae 1,024株の抗菌薬感受性を測定し, 薬剤耐性の動向を検討した. 内訳は, βラクタマーゼ陰性ampicillin (ABPC) 感受性菌 (BLNAS) 740株 (76.2%), βラクタマーゼ陰性ABPC耐性菌 (BLNAR;ABPC-MIC≧4μg/ml) 154株 (15.0%), βラクタマーゼ陽性ABPC耐性菌 (BLPAR) 72株 (7.0%), βラクタマーゼ陽性amoxicillin-clavulanic acid 耐性菌 (BLPACR) 18株 (1.8%) であった. BLNARの検出頻度は, この4年間に12.7% (2000年) から22.1% (2003年) へ急増していた. 特に, BLNARの中でABPC-MIC≧8μg/mlを示す株が28.6%から56.9%へと著増を示した. BLNASにおけるセフェム系抗菌薬に対する感受性低下も認められ, 髄膜炎患児1名からcefotaximeおよびceftriaxoneの低感受性株が分離された.

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