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肝臓
Vol. 51 (2010) No. 1 P 6-12

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http://doi.org/10.2957/kanzo.51.6

症例報告

症例は40代の女性.25歳時,特発性血小板減少性紫斑病を発症し,各種治療の一環として血小板輸血を受けた.その後,肝機能障害持続し,C型慢性肝炎から肝硬変に至った.近医よりAFP高値で肝癌を疑われて当科に紹介され,各種画像検査にて肝癌は否定された.血小板数低値(2∼5万/μl )であったが,活動性肝硬変(genotype 1b,212 KIU/ml )にて部分脾動脈塞栓術を施行してインターフェロン(IFN)治療の方針とした.脾梗塞率は46%に留まり,血小板は最高値7.8万にしか上昇せず,天然型IFNα 3MU週1回の長期投与を開始した.投与半年でHCV-RNA陰性化し,その後2年間の継続治療の末,ウイルス学的著効に至った.1b高ウイルス量の症例が,低用量天然型IFN週1回投与で著効に至った稀な症例というだけでなく,治療により血小板数増加とAFP値正常化がみられたことは,肝予備能改善と発癌抑止の観点から極めて貴重な経過と考えられた.

Copyright © 2010 一般社団法人 日本肝臓学会

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