我々が2008年度広島県と石川県の一般住民集団及び職域集団を対象として行った肝炎ウイルス検査の受診状況等に関する聞き取り調査では,肝炎ウイルス検査を「受けたことがある」は,一般住民集団では20~27%であったが,60歳以上が40%以上を占め,男女別では「受けたことがある」は,女性が男性より有意に高かった.一方,職域集団では「受けたことがある」は7.2%と低値であった.「検査を受けたことがない」理由は,広島県の一般住民集団では「機会がなかった」36%,「知らなかった」33%であったが,石川県の全数調査では男女ともに「知らなかった」が「機会がなかった」より有意に多く,地域に応じた対応が必要であることが明らかとなった.職域集団では,「肝炎ウイルス検査」の周知率及び受診率が共に低いことが明らかとなり,今後肝炎ウイルス検査の認知を広め,受診率向上への対策を推進していくことの必要性が示された.