肝臓
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症例報告
肝細胞癌を合併したフェロポルチン病B型の1例
日比野 千尋内藤 雅文川崎 洋輔徳田 貴昭佐藤 悠松下 萌未日下部 瑛酒井 彩子巽 康彰加藤 宏一加藤 文子春日井 務伊藤 敏文
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2017 年 58 巻 8 号 p. 441-447

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抄録

症例は50歳代男性.肝機能障害と肝腫瘤の精査目的で入院となった.血液検査では,血清肝酵素の軽度上昇,高度の高フェリチン血症,トランスフェリン飽和度高値を認めた.腹部CT・MRIで,びまん性鉄沈着が疑われる肝実質内に径15 mmの単発の腫瘤を認め,肝細胞癌を疑い施行した腫瘍生検でdysplastic noduleと診断された.また,非腫瘤部の肝細胞およびKupffer細胞には強い鉄沈着を認め,線維化はF2であった.鉄過剰症に対して瀉血療法を開始した.

6カ月後,同腫瘤は20 mm大に増大し,画像上hepatocellular carcinoma(HCC)への進展が強く示唆されたためRFAを施行した.同時に採取した腫瘤の病理組織はmoderately differentiated HCCであった.その後の遺伝子解析でSLC40A1遺伝子にヘテロ接合型変異を認め,フェロポルチン病B型と診断したが,血清ヘプシジン-25は6.9 ng/mLと低値を示した.瀉血導入後肝酵素は徐々に低下し,この3年間HCC再発を認めていない.本邦では希少疾患であるフェロポルチン病B型に発生したHCCの1例を報告した.

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© 2017 一般社団法人 日本肝臓学会
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