肝臓
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症例報告
C型肝炎に対するDirect-Acting Antivirals治療後に発症した心腎肺眼サルコイドーシスの一例
金子 三紀堂原 彰敏西村 尚起竹田 惣一中谷 聡塩山 えりか竹田 幸祐吉川 雅章上田 重彦
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2021 年 62 巻 6 号 p. 372-380

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抄録

症例は45歳男性.35歳時にC型慢性肝炎に対してIFN治療を施行されたが無効で,他院で肝庇護療法を継続されていた.肝障害が増悪し精査加療目的に当科紹介受診となった.肝生検では脂肪沈着を伴うA2F3の慢性ウイルス肝炎像であり,肝サルコイドーシスを示唆する所見は認めなかった.Direct Acting Antivirals(DAA)療法でSVR24を達成したが,終了3カ月後からeGFRが低下し腎生検で腎サルコイドーシスの診断に至った.追加検査で心・肺・眼にも病変あり,ステロイド内服加療を施行した.既報ではC型肝炎に対するIFN治療後にサルコイドーシスを発症する症例が散見され,IFNが宿主の免疫応答を惹起しサルコイドーシスを引き起こすことが想定されている.今回DAA治療後に発症した心腎肺眼サルコイドーシスの一例を経験し,貴重な症例と思われるため報告する.

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© 2021 一般社団法人 日本肝臓学会
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