肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
症例報告
COVID-19ワクチン接種後に薬物性肝障害を呈した1例
清水 創一郎佐藤 賢伊藤 健太喜多 碧相原 幸祐舘山 夢生阿部 貴紘柴崎 充彦山崎 節生深井 泰守飯塚 賢一滝澤 大地新井 弘隆井出 宗則浦岡 俊夫
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 63 巻 12 号 p. 530-537

詳細
抄録

COVID-19に対するワクチンが開発され,感染抑制や重症化防止に大きく貢献している.その一方で副反応も生じ,肝障害の報告も世界で散見されつつある.ワクチンによる肝障害のメカニズムは,自己免疫性機序などの報告があるものの,不明な点が多いのが現状である.今回,1回目のワクチン接種後に肝障害を来し,2回目のワクチン接種で更に肝障害が悪化し,ワクチンによる因果関係を強く疑い,ワクチンによる薬物性肝障害と診断した10代の女性の症例を経験した.本邦におけるCOVID-19に対するワクチンによる肝障害の報告はあるも,論文化された報告は1例もなく,貴重な症例と考えここに報告する.

著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本肝臓学会
前の記事 次の記事
feedback
Top