2023 年 64 巻 4 号 p. 183-193
NAFLD 396例にTransient elastography(TE)を施行し,肝硬度liver stiffness(LS),肝脂肪度controlled attenuation parameter(CAP),FibroScan-AST(FAST)scoreを測定した.同意が得られた116例はTEを年1回,複数回施行した.NAFLDの死亡に関連するのはFAST scoreが,肝硬変(LC)進展に関連するのはFAST scoreが最も強い因子であった.肝癌進展に関連するのはBMIが,心血管障害に関連するのは糖尿病の有無が有意な因子であった.FAST scoreはNAFLDのLC進展の重要な予測因子であるが,LC進展例は経過中LSが高値であり,LSによる観察も重要であった.LCを経ずに肝癌に進展する症例があり注意を要すると思われた.