50代女性.メッケル憩室穿孔による腹膜炎で前医にて外科手術施行後,2カ月で発熱と右側腹部痛が出現した.採血・CT検査で肝膿瘍が疑われ,抗菌薬治療が行われたが十分な効果は得られず,液状化成分を認めなかったためドレナージは困難であった.生検により肝炎症性偽腫瘍と診断された.症状は一時軽快したが,3カ月後に再燃し,他部位に新たな病変が出現したため当院へ紹介受診した.当院画像検査でも充実性病変を確認し,再生検でも同様の診断を得た.非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の定期投与により一時的に症状は軽快したが,1カ月後に再燃し,病変内部に壊死像を認めた.穿刺にて膿を確認し,ドレナージおよび抗菌薬治療で症状は軽快し,病変の縮小を得た.本症例は腹膜炎に続発した炎症波及が発症要因と考えられ,NSAIDsの抗炎症作用が病態の変化を促し治療介入の契機となった可能性が示唆された.