肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
乙型肝硬変症・原発性肝癌・胃潰瘍を合併した多発性肝-腎嚢胞症の一剖検例
山脇 忠晴船山 瑛原 建樹日下部 篤彦黒川 晋加藤 陽一郎稲垣 孝雄林 久男伊藤 庄三奥山 澄彦金 優
著者情報
ジャーナル フリー

1975 年 16 巻 4 号 p. 225-230

詳細
抄録

67歳の女子にみられた多発性肝-腎嚢胞症の一剖検例について報告した.本例は乙型肝硬変症,原発性肝癌,胃潰瘍の合併があり,多彩な症状を呈し生前に正確な診断が困難であった.絶えず持続する腹部膨満感が特徴的であり,臨床検査成績からは肝硬変症,肝癌と診断されたが,僅かに選択的腹腔動脈撮影で肝嚢胞の存在を推測することができた.悪性腫瘍の合併頻度は少なく,特に原発性肝癌の合併例の報告は稀有である.

著者関連情報
© 社団法人 日本肝臓学会
前の記事 次の記事
feedback
Top