肝臓
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胃にBorrmann II型の転移を有し,高脂血症を伴った肝細胞癌の1剖検例
中村 暁牧野 博高桜 英輔野々村 昭孝
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1983 年 24 巻 8 号 p. 914-918

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抄録
症例は69歳男性.上腹部痛を主訴に来院した.入院時理学的所見にて著明な肝腫大を認めた.臨床検査ではAFP 113.6×104ng/mlで,肝シンチ,腹腔動脈造影より肝細胞癌と診断した.また胃内視鏡検査によりBorrmann II型病変を認め,同部の鉗子生検より管状腺癌と診断し,生前肝細胞癌と胃癌の重複癌と考えていた.剖検の結果,肝は4,170gで腫瘍は右葉の大部分を占め,組織学的にはEdmondson II型の肝細胞癌であった.胃の腫瘍は大部分肝の腫瘍と同じ索状構造を呈し,一部に胆汁産生を認めたが,胃の粘膜面に近い部分では腺管状構造へと変化がみられ,生前生検で得られた組織像と一致した.肝内外の門脈には腫瘍塞栓が多発し,胃への転移系路として門脈を逆行性に血行転移したものと思われた.また経過中,cholesterol 742mg/dl, triglyceride 414mg/dlに達する高脂血症が認められ,黄疸の推移とは一致せず,肝細胞癌に伴ったものと思われた.
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© 社団法人 日本肝臓学会
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