肝臓
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リアルタイム断層ドップラー血流映像装置による
ヘパトーマの観察とその意義
鋤柄 稔高本 真一駒崎 敏郎小林 正幸杉本 映一亀田 千里尾本 良三
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1985 年 26 巻 6 号 p. 747-752

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抄録

要旨:リアルタイム断層ドップラー血流映像装置(real-time tow-dimensional Doppler echography: 2-D-Doppler)により興味ある所見が得られたヘパトーマ症例4例を呈示し,同装置のヘパトーマ観察に於ける有用性について検討した.(1) 2-D-Dopplerは血流のカラー表示により腫瘍内外の脈管の同定と追跡を容易にした.(2) 腫瘍内外を走る脈管内の血流方向,速度を色調ないし輝度の違いとして把えることができた.(3) 2-D-DopplerはTAE前後の腫瘍内動脈血流の変化や腫瘍内のA-Pシャントの認知にも有用であった.(4) 肝硬変症のような遅い門脈血流のカラー表示は困難な場合が多く,今後改良すべき点と考えられた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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