近交系C57BL/6マウスに同系肝抗原を免疫して作製した実験肝炎モデルマウスより感作T細胞を含む脾細胞を得て正常同系マウスにtransferする事によりrecipientマウスにも単核細胞浸潤を主体とする肝障害を発症させ,肝炎における細胞免疫的機序につき検討した.その結果,recipientマウスにX線処置を行ってリンパ球の一部ないし全体を除去しておくと感作脾細胞をtransferしても肝障害は起こらず,更にX線照射と正常マウス脾細胞によるreconstitutionを組み合わせた結果,X線感受性細胞が肝障害発症に必要である事がわかった.また51Cr-chromateでlabelした脾細胞の臓器分布を検索した結果,肝炎マウス脾細胞はhelperないし,amplifierT細胞としてrecipientマウス細胞へ情報伝達を行ってこれを活性化し,この活性化細胞が肝組織内へ浸潤する事が示唆された.