肝臓
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インターフェロン投与により高マクロ・クレアチニン・キナーゼ血症(Type 1)を呈したC型慢性肝炎の1例
狩山 和也東 俊宏谷 秀樹上江洲 篤郎樋口 慎之助笠原 潤治加藤 倫裕岩藤 浩典辻 孝夫
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1996 年 37 巻 5 号 p. 264-267

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抄録

症例は64歳,男性.輸血後のC型慢性肝炎に対して肝生検施行し慢性活動性肝炎(CAH2A)と診断,天然型インターフェロンα 600万単位/日2週間連日投与後,週3回の投与を22週間施行した.投与後速やかにHCV-RNAは消失したが,投与終了直前よりCK, LDH,アルドラーゼ,ミオグロビン,トロポニンTなどの上昇が認められた.これら筋原酵素はインターフェロン投与終了後徐々に下降し正常化した.CKアイソザイムではMM分画優位で,MMとMB間にextra bandを認め,マクロCKの存在が示された.マクロCKは酵素結合免疫グロブリン同定にてIgA-λとの結合と判明した.インターフェロン投与中,筋痛,脱力感などの自覚症状は全く認められなかったが,無症候性ミオパチーの発症が示唆された.インターフェロン投与に伴う副作用としてのミオパチーの報告は稀でありインターフェロン療法を行う上での留意点と考え報告した.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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