1999 年 40 巻 1 号 p. 47-52
著者らは, 大型肝細胞癌に対する治療として, 肝動脈塞栓療法 (TAE) と経皮的エタノール注入療法 (PEIT) を併用したTAE・PEIT併用療法 (TAE+PEIT) を, 完全壊死するまで繰り返し施行するrepeated TAE+PEITを行っている. 今回US-angiographyを組み合わせて, 効果的に治療できた症例を経験した. 症例は77歳女性. 肝左葉に径13cmの被膜を有する巨大肝細胞癌を認めた. 平成9年4月よりTAE+PEITを3クール施行した. その際, TAEの前に行う肝動脈造影時に, US-angiographyを併用することにより, 超音波画像上でviable lesionを明確にしPEITの目標部位とした. 以上の治療にて平成10年3月のCTおよび6月の血管造影, US-angiographyで著効を確認した.