肝臓
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急速に胆管および門脈内進展を来した混合型肝癌の1例
小関 至佐々木 茂高橋 大賀岩田 徳和金戸 宏行本谷 聡伊東 文生桂巻 正小井戸 一光今井 浩三
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2001 年 42 巻 2 号 p. 91-97

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抄録

症例は57歳の男性で, 肝前区域の腫瘤性病変を指摘された. CT, MRI, 血管造影などの所見より乏血性の腫瘍の存在が肝前区域および門脈前区域枝内に疑われ, 腫瘍生検では低分化型肝細胞癌の診断が得られた. 肝切除術が施行され, 著明な胆管内浸潤および門脈内浸潤を認めた. 病理学的に主に脈管内に沿って浸潤・増殖する肝細胞癌部分と腫瘍内に不規則に存在する胆管細胞癌部分が混在し, 混合型肝癌と診断した. 免疫組織染色ではそれぞれの腫瘍成分はAFP, cytokeratin-19, EMAで陽性を示した. 主に肝細胞癌部分が脈管内で, 胆管細胞癌部分が肝実質内で増殖し, 興味深い症例と考え報告した.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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