関西病虫害研究会報
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原著論文
春から秋期にタイリクヒメハナカメムシおよびタバコカスミカメの温存に有効な植物ならびにその決定要因について
柿元 一樹安部 順一朗太田 泉大野 和朗水谷 信夫
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2020 年 62 巻 p. 121-132

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抄録

アザミウマ類の土着天敵であるタイリクヒメハナカメムシおよびタバコカスミカメについて,露地条件でこれら天敵の保全に有効な天敵温存植物を評価した。フレンチマリーゴールド,スイートバジル,ホーリーバジル,ソバおよびオクラ等の植物を2016年夏秋期に10草種,2017年春夏期に13草種供試し,アザミウマ類および天敵の個体群動態を調査した。タイリクヒメハナカメムシの個体群動態は基本的にアザミウマ類の個体群動態に有意に影響を受けることが示された。しかし,各植物での両者(餌-天敵)の密度は必ずしも完全に比例した関係ではなかった。タイリクヒメハナカメムシに対する補助餌(花粉・花蜜)の適性は,植物種間で異なることから,本種の生息には植物の花粉や花蜜の質の違いも影響していると推察される。一方,タバコカスミカメとアザミウマ類の個体群動態は独立した関係にあり,本種の発生は植物の種そのものに依存していることが示唆された。タイリクヒメハナカメムシにはソバ,タバコカスミカメにはバーベナ‘花手毬・絢’がそれぞれ有効な天敵温存植物であると考えられる。

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