2024 年 66 巻 p. 55-60
薬剤散布を行った際のイチゴうどんこ病菌(Podosphaera aphanis var. aphanis)分生子の動態について調査した。分生子は薬剤散布を行なっても,ハウス内で捕捉されたが,その飛散量は処理薬剤によって異なっていた。脂肪酸グリセリド乳剤300倍+炭酸水素Na・銅水和剤750倍散布は3日後,ペンチオピラド水和剤2,000倍散布およびピリオフェノン水和剤3,000倍は散布4日後まで分生子飛散量を抑えた。脂肪酸グリセリド乳剤600倍+炭酸水素Na・銅水和剤1,000倍1回処理で分生子柄の再生を完全に抑えた。脂肪酸グリセリド乳剤300倍+炭酸水素Na・銅水和剤750倍を10日よりも短い間隔で300 L/10 aの割合で散布すると無散布と比較して発病率が有意に低かった。