関西病虫害研究会報
Online ISSN : 1883-6291
Print ISSN : 0387-1002
ISSN-L : 0387-1002
白菜えそモザイク病の白菜における病徴
近藤 章
著者情報
ジャーナル フリー

1958 年 1 巻 p. 1-5

詳細
抄録

(1)本病の病徴を肉眼的観察とウイルス定量とによつて経過を追究した.
(2)潜伏期間は温度により異なり,高温時ほど短い.まず葉脈にnecrosisがあらわれ,条斑となつて葉柄に進展すると急速に根に到り,直に頂葉に達する.感染葉はまず葉脈,葉柄上にneorosisが生ずる.やがて葉肉部に茎1~3mmの黒点及び輪点が生じやがて黄化し,ついで白紙のようになる.葉の一側のみ病徴があらわれると一側に攣曲する.この頃感染葉に接した葉及び新しく開展した若葉が病徴を示すようになると,白菜全体が萎縮症状を呈し,やがて萎凋し枯死する.茎は基部から花軸まで条斑が続く.このような植物は結実しない.
(3)N.tabacumを用い,Local lesion法でLesion数を,又分光々度計で核酸量を測定して,ウイルスの増殖経過を追究したところ,略上記観察と一致することが認められた.

著者関連情報
© 関西病虫害研究会
次の記事
feedback
Top