抄録
CG117 (DL-methylN-[2,6-dimethylpheny1]-N-[2´-methoxyacety1]alaninate)の, 罹病葉上の遊走子のうの形成, 発芽阻止は2ppm(a.i)で, 遊走子の遊泳は2PPmで4時間, 10ppmで10数分, 50ppmでは数分間認められた. 乾, 浸種および発芽種子の本剤浸漬の予防効果は高く, 250ppmで完全であった.発芽種子に接種し, 本剤液に浸漬処理したところ, 1日後では2ppmで, さらに高濃度では4日後の処理でも発病防止効果がみられた. 接種発芽種子を播種後, 1ポット当り(径14cm)に0.2mg (2ppm, 10m1)の土壌潅注でも, すぐれた発病防止効果がみられ, 畑および水田状態でも効果に差はなかった. なお, 50mg 処理では, 播種18日後の処理でも効果が認められ, 防除価は, 播種3日後処理100, 18日後77を示した. 本病の発病苗を2,000ppmに根部浸漬処理(3時間)しても高い治療効果がみられた.
以上の結果から, 本剤は既往の供試薬剤に比べて, 全ての面で効果が優れるので, 本病の防除剤として有望であると思われる.