キュウリつる割病に対する2, 3の窒素肥料の影響について

抄録

形態の異なる窒素質肥料-硝安, 硫安, 尿素, 石灰窒素, CDU及びIBがキュウリつる割病菌及びその疾病の発生に及ぼす影響を調べ, 次のような結果を得た.
(1) 窒素の形態は菌の生育度と病原性に明らかに影響を及ぼすが, 菌の生育度と病原性は正の相関関係を示さない.
(2) 土壌pHと疾病の発生の相関関係は認められなかったが, 窒素の形態は土壌pHに影響を及ぼした.
(3) 土壌電導度 (EC) を高める窒素の形態は発病を促進した.
(4) 硫安及び硝安はつる割病菌の密度と発病を促進したが, 尿素, 石灰窒素, CBU及びIBは抑制した.
(5) つる割病の発生は病原菌の密度と密接な相関関係を示した.
(6) 病原菌の密度を増加させる窒素の形態は細菌の増加を抑えた. また, 病原菌の密度を減少させるものは, 土壌中の細菌数を増加させる傾向があった.