抄録
本研究は,地震時および強風下における市街地火災の延焼速度の予測について,兵庫県南部地震の神戸市内および酒田大火の資料に基づいて述べたものである。すなわち,焼損面積から延焼速度の平均値を求め,延焼速度の最大値および延焼速度の実測値の最大値などの諸関係について予測する論理的考察を行うとともに実例を通して分析した。地震時火災については,各調査地区の予測される延焼速度の最大値について表に示した。酒田大火の場合の延焼速度は,出火から300分前後でほぼ最大値を示し,約150~160m/hと予測できることなどを示した。
(オンラインのみ掲載)