日本火災学会論文集
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論文
  • 山本 治貴, 関澤 愛, 今津 雄吾, 野竹 宏彰
    2017 年 67 巻 2 号 p. 57-67
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/10/06
    ジャーナル フリー
    津波火災は,堆積した瓦礫や海水が消火活動や避難の支障となるため,発生時の人命・財産の危険性が高い。しかし,これまでに津波火災の被害予測モデルが確立されたとは言いがたく,現時点では地震被害想定の項目として定量的に被害を予測することが難しい。そこで,本研究では,東北地方太平洋沖地震時の三陸海岸における津波火災事例を回帰分析し,まず津波火災の延焼発生確率を予測し,次に延焼が発生した場合の延焼面積を予測する簡便な回帰モデルを構築した。主に津波によって流出する建物の密度から津波火災の延焼発生確率を,津波による流失を免れた建物の数から津波火災の延焼面積を求める回帰モデルである。
  • 崎田 芳晴
    2017 年 67 巻 2 号 p. 69-75
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/10/06
    ジャーナル フリー
    文化財建造物には,自動火災報知設備や消火器のほかに,屋外に放水銃やドレンチャー等の消火設備が設置されている。これらの屋外における消火設備は,他の建物の火災からの延焼防止を主な目的として設置されている。また,文化財建造物の防災設備については,消防法に規定されるような具体的な設置基準及び維持管理基準は定められていない。
    本研究では,過去の火災事例の分析を通じて,文化財建造物に設置されている放水銃等の防災設備がどのように活用されてきたかについて調べ考察を加えた。その結果,現在の防災設備だけでは,建物内部から出火した火災への対応については不十分であり,屋内消火栓設備などの初期消火装置の設置促進を図る必要のあることがわかった。
  • 望月 慧介, 松岡 常吉, 中村 祐二
    2017 年 67 巻 2 号 p. 77-85
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/10/06
    ジャーナル フリー
    本研究では,干渉する振動火炎の振る舞いを系統的に検討するため,火炎の同期振動を精密に観察する為の実験システム(および非定常3次元数値解析)を設計し,火炎同士の同期挙動について精査した。バーナー間距離の変化に応じて,3つの変動モード(同位相,逆位相,単一火炎)が存在し,同位相モードから逆位相モードへの移行はある臨界条件において「遷移する」。同位相モードにおける変動周波数はバーナ―間距離には弱い依存性しか示さない一方で,逆位相モードは強い依存性を示すことがわかった。現象の物理を再現可能な数値実験を導入することにより,輻射熱伝達が共鳴現象に対して不可欠な要素ではないことを示すとともに,遷移付近での挙動について詳細に検討した。より安定な逆位相モードが系内に含まれる擾乱により成長して最終的な安定変動として落ち着くことを説明した。
  • 茂木 俊夫, 杉浦 彰彦, 薄葉 州, 荷福 正治, 松永 猛裕, 土橋 律
    2017 年 67 巻 2 号 p. 87-92
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/10/06
    ジャーナル フリー
    サブミクロン粒子の粉じん爆発危険性を明らかにするために,様々な粒径のPMMA 微小粒子について,爆発下限界濃度(MEC)と最大爆発圧力上昇速度(Kst)を測定した。さらに,凝集の影響を明らかにするために空気中に分散した状態での粒子径分布を測定した。その結果,粒子径がサブミクロンサイズになるとMECが上昇し,Kstは減少する傾向が見られた。また,粒子径がサブミクロンに近づくと,微小粒子の凝集体が形成されやすくなり,凝集体の形成が粉じん爆発の特性に影響を与えることがわかった。さらに,MECとKstの測定では,粉じん濃度条件が異なるため,凝集の影響の現れ方が異なることがわかった。
  • Guan-Yuan WU, Masayuki MIZUNO, Chao-Kuan KE
    2017 年 67 巻 2 号 p. 93-105
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/10/06
    ジャーナル フリー
    本研究では,超高層建築物の階段における避難行動特性について調査した。高さ508 m の台北101で6ケース,140 m の新台北市庁舎で1ケースの合計7ケースの避難訓練で,合計229人が参加した。階段内の避難経過をビデオカメラと観測者によって記録してデータを抽出した。台北101の6ケースでは平均速度が垂直移動で0.22~0.24 m/s,歩行速度0.61~0.65 m/s,一方,新台北市庁舎の1ケースでは垂直移動で0.31 m/s,歩行速度で0.98 m/s を得た。後者では,自衛消防隊に続いて避難したためと考えられる。本研究で得られた結果は,超高層建築物の避難モデルの改良に重要であり,また障害のない人々を対象とした他の研究成果と比較している。
  • 李 成〓, 原田 和典
    2017 年 67 巻 2 号 p. 107-112
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/10/06
    ジャーナル フリー
    フラッシュオーバー発生限界発熱速度の予測式を理論的考察および実験データとの相関により導いた。二層状態での煙層の熱収支からフラッシュオーバーに必要な最小の発熱速度を,開口因子,内表面積および周壁材料の熱慣性により定式化した。係数は二層ゾーンモデルによる数値計算結果との相関で決定した。こうして求めた予測式は既往の実大実験の中央値と一致するが,模型実験に対しては過大な値となった。これを改善するため,室規模とフラッシュオーバー発生時間の関係を実験データから求めて代入したところ,模型から実大規模まで一貫して予測可能な式が得られた。さらに,フラッシュオーバー発生限界発熱速度を安全側に求める設計式も併せて提案した。
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