2011 年 61 巻 3 号 p. 37-46
本研究は性能的避難安全設計の枠組みにリスクの概念を導入し, 潜在的な避難リスクに応じて設計火源の大きさを決定し, その設計火源のもとで検証することにより避難リスクを許容レベル以下に抑制する設計法を検討している。
本報では, 本避難安全設計法の基準値として利用することを目的とし, 統計データを用いて現状の法規制のもとでの各用途の避難リスクの算出, 基準とする空間の避難リスクをもとに, 用途, 床面積に応じて設計基準避難リスクを算出する方法に関する基礎的な検討を行った。用途毎, 事務所, 住宅の代表的な規模の避難リスクを基準とした場合の設計基準避難リスクを算出した。