2019 年 69 巻 3 号 p. 21-26
日本の火災シナリオにおけるRIPシガレットの有効性を検討するため,通常及びRIPシガレットを発火源とし,敷布団の圧縮率,敷布団の詰物素材を変更した条件下にて敷布団のくん焼実験を行った。さらに,長期間使用された敷布団を調達し,敷布団の厚さやシガレットの着火性を新品敷布団と比較した。使用済及び新品敷布団において,着火性の違いは確認されなかったが,実験用敷布団を圧縮することにより,くん焼継続回数が増加傾向を示した。また,実験用敷布団の詰物素材にポリエステルを配合することで,くん焼継続回数の減少傾向が確認された。以上の結果から,本実験条件下において通常及びRIPシガレットのくん焼継続回数の差を統計的に確認するには至らなかった。