一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
61回大会(2009年)
セッションID: 3P-21
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生野菜の細菌数に及ぼすマスタードドレッシングの効果
*米浪 直子室谷 有紀上野 綾子吉野 世美子
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抄録

[目的]マスタードはアリルイソチオシアネートによる抗菌作用を持つことが知られている。そこで、本研究ではマスタードを添加したドレッシングを調製してサラダを作成し、生野菜の細菌数の変化について調べた。 [方法]マスタードドレッシングは、マヨネーズ、フレンチドレッシング、ノンオイルドレッシング、そして二杯酢に市販のマスタードをそれぞれ4%添加して4種類のものを調製した。生野菜のモデルとしてきゅうりを使用し、洗浄後小口切りにしたきゅうりにマスタードドレッシングとマスタード無添加ドレッシングをそれぞれ加えて、30℃で30分、2時間、6時間、24時間保存し、ペトリフィルム法を用いて一般生菌数および大腸菌群数を測定した。なお、洗浄後小口切りにしたきゅうりのみのサンプルをコントロールとして用いた。 [結果]すべてのサンプルにおいて、6時間後までは一般生菌数に有意な変化はみられなかった。コントロール、マヨネーズ、マスタード添加マヨネーズ、フレンチドレッシング、ノンオイルドレッシングの条件において、24時間後では処理前の0時間と比較して一般生菌数に有意な増加がみられた(p<0.05)。しかし、マスタードを添加したフレンチドレッシングおよびノンオイルドレッシングの2条件では増加はみられなかった。二杯酢については、マスタードの添加の有無にかかわらず、24時間後は処理前の0時間と比較して一般生菌数に有意な減少がみられた(p<0.05)。大腸菌群数については、すべてのサンプルにおいて有意な変化はみられなかった。以上のことから、マスタードドレッシングは、生野菜の一般生菌数の増加を防ぐのに有効である可能性が示唆された。

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© 2009 一般社団法人 日本家政学会
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