一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
61回大会(2009年)
セッションID: 3P-25
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和菓子の嗜好性および喫食状況に関する研究
村上 陽子角屋 育*鈴木 郁美
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キーワード: 食嗜好性, 喫食状況, 和菓子
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抄録

【目的】 食における色の効果を大切にしてきた我が国には、和菓子という伝統的な菓子がある。特に練りきりやきんとんに代表される茶席の和菓子は形状やテクスチャーが多様であり、季節や行事などによって種類・色・形・材料などが使い分けられている。また、色・形・菓銘などで季節感を楽しむことができる。さらに低カロリーであること、卵や小麦粉に起因する食物アレルギーの心配が少ないなど、他国の菓子には見られない優れた特徴をもつ。しかし、洋菓子の普及とともに和菓子に対する関心が薄れ、特に若い世代の人々においては和菓子の喫食頻度が減少してきているといわれている。その一方で、健康に対する意識の高揚により、和菓子が注目され、見直されつつある。そこで、本研究では大学生を対象に、菓子、特に和菓子に注目してその嗜好性について検討した。これは、嗜好性や喫食状況から大学生の意識をはかり、今後、和菓子を利用した食育教材へ活用することを目的としたものである。
【方法】 静岡大学教育学部の1・2学年385人(男子174人、女子211人)を対象にした。アンケートの回収率は100%、有効回答率は94%であった。調査期間は2007年5~6月であった。調査は質問紙法で行った。調査対象者に質問用紙を配布し、その場で回答してもらい、ただちに回収した。
【結果】 菓子の嗜好性については、男女とも「洋菓子」への嗜好性が非常に高く、特に女子ではその傾向が顕著であった。また、男子では「スナック菓子」への嗜好も高かった。「和菓子」への嗜好は男女とも低くはなかったものの、喫食頻度では下位にあげられることが多く、「和菓子」は好きだが食べる機会がないことが示唆された。

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© 2009 一般社団法人 日本家政学会
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