一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
61回大会(2009年)
セッションID: 3P-46
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洗濯洗剤に含まれる配合剤の影響
ベントナイトについて その4
*井上 美紀
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キーワード: ベントナイト, 洗剤, 柔軟剤
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抄録

【目的】本研究は、家庭用洗濯洗剤の配合剤としてベントナイトに着目し、これまで、ベントナイトによる被染物への柔軟効果と、ベントナイト添加による洗剤の洗浄性への影響について検討してきた。
 本報告では、引き続き、ベントナイトによる被染物への柔軟効果について検討した。特に、ベントナイト添加濃度による比較、また、各種繊維での効果を比較した。さらにベントナイトと市販柔軟剤についても比較した。
【方法】試薬はベントナイト (AまたはB) 2種と、市販柔軟剤を用いた。試料は、綿布、羊毛布、ポリエステル布(各織物または編物)とした。ターゴトメータを用いて、ベントナイト溶液中または市販柔軟剤中で試料を攪拌処理し、処理後の剛軟性や毛羽立ちなどを比較した。
【結果】剛軟性測定(ハートループ法)結果より、今回処理したベントナイトの添加濃度では、市販柔軟剤で処理した試料の剛軟性に比べると、いずれの試料も低い値を示し、ベントナイトによる柔軟効果は市販柔軟剤に比べて小さかった。
 ベントナイトAまたはB溶液で処理した綿布の剛軟性は、ベントナイトを添加しない試料に比べるとわずかに値が高くなり、ベントナイトの添加濃度を高めるとさらに高くなった。一方、羊毛布とポリエステル布の剛軟性は、ベントナイトを添加しない試料と比べてほとんど差が見られなかった。このことから、繊維による比較では、羊毛布やポリエステル布に比べると、ベントナイト添加による綿布への柔軟効果が大きいことがわかった。

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