一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
63回大会(2011年)
セッションID: 3P-47
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5月29日
洗濯ボールによる洗浄効果について その3
*井上 美紀
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キーワード: 洗濯用補助具, 洗浄効率, MA
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抄録
[目的]洗剤使用量の低減など、環境にやさしい家庭洗濯を目的に様々な洗濯用補助具が市販されている。これまで本研究では、洗濯用補助具についての洗浄効果、被洗物への影響について把握することを目的として実験を行ってきた。本報告では、前報までとは異なる洗濯用補助具を取り上げて比較した。
[方法]洗濯用補助具として2種(洗濯ボールC:花びら型ゴム製ボール、洗濯ボールD:スポンジ製ボール)とし、いずれも洗濯ボール中に炭などを充填していないものを使用した。洗浄用汚染布には湿式人工汚染布(洗濯科学協会製)を用いた。洗浄条件は、洗濯ボールのみ、洗濯ボールと洗剤の併用(弱アルカリ性粉末合成洗剤、標準使用濃度以下で使用)、通常洗濯(ボール未使用、洗剤標準使用濃度)とし、家庭用攪拌式洗濯機での通常サイクルで繰り返し洗浄を行った。また、CもDも複数のボールを同時に入れて使用する(Cは4個、Dは5個)ことから、投入するボール数を変えて比較した。洗浄効率は洗浄前後の表面反射率から求めた。さらに、被洗物への影響を把握するためにMA値や寸法変化率を測定した。
[結果]通常洗濯と比べると、洗剤と洗濯ボールCまたはDを併用した場合、ボール併用時の使用洗剤量が標準使用濃度の半量でも、洗浄効率は通常洗濯の場合よりも高いか同程度の値を示した。投入ボール数による洗浄効率では、CもDも企業指定のボール数を使用した場合よりも1個減らした場合には洗浄効率が10%以上低下した。またボール使用有無での寸法変化に大きな差は見られなかったが、MA値では、前報で用いた洗濯ボール(容器が硬い球状で洗濯時に1個で使用)より、今回用いた洗濯ボールCやDの方が高い値を示した。
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