一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
63回大会(2011年)
セッションID: 2P-16
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5月28日
大学生の運動頻度の違いがプロテインサプリメント利用に及ぼす影響
*伊藤 知子熱田 翼
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抄録

【目的】現在、多くのプロテインサプリメント(以下、プロテイン)が販売されている背景には、メタボリックシンドローム予防、健康増進など近年の健康ブームが影響していると考えられる。しかし、プロテインは摂取するだけで効果を期待することは難しく、過剰摂取になる場合もある。大学生を対象として、運動経験の有無や頻度によってプロテインに関する認知度や利用状況の違いについて明らかにすることを目的とし、調査を行った。
【方法】2009年11月に大学生を対象として質問紙調査を行った(n=131)。質問項目は過去の運動経験、現在の運動頻度、プロテインに対する、イメージ、利用状況などであった。
【結果】対象者の88%が過去に運動経験があり、72%が現在も何らかの形で運動習慣を持っていた。50%がプロテインの利用経験があった。プロテインに含まれていると思う成分はたんぱく質が、含まれていないと思う成分はBCAAが最も多かった。成分についての知識が十分でないことが示唆された。プロテインのイメージは筋肉増強が最も多かった。
 運動頻度別に比較したところ、運動頻度が高いほどプロテイン摂取経験が多かった。運動頻度が中程度(週1・2回程度)の群で筋肉増強効果を目的とする割合が高かった。食事摂取状況については、運動頻度が中程度の群が3食しっかり食べる割合が最も低く、サプリメント利用割合が高かった。これらの結果から、運動頻度が高い競技スポーツを行なっている学生よりも、過去に運動経験を持ち、現在の運動頻度が中程度の学生が、3食しっかり食べることよりもプロテインやサプリメントの効果に期待していることが示唆された。栄養成分に関する知識は十分とはいえず、何らかの対策が必要であると考えられた。

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