一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
63回大会(2011年)
セッションID: 2P-21
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5月28日
植物種子抽出物によるアミロイドβペプチド誘導神経細胞死抑制効果
*岡田 悦政岡田 瑞恵澄田 宏子
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抄録

【目的】アルツハイマー型認知症(AD)は、病因とされるアミロイドβ(Aβ)を抑制する研究が様々な分野で試みられているが、根本原因となるAβ生成機構は未だ解明されず、幾つかの仮説が推察されている状況下にある。Aβの生成は、過剰な糖、動物性食品、飽和脂肪酸等の過剰摂取等の摂取もその原因として推察されている。また、この生成されたAβによる細胞死抑制も重要な研究テーマとなっている。そこで本研究では、蛋白糖化抑制成分として見つかった植物種子についてその抽出成分によるAβ誘導神経細胞死の抑制について、検討を行ったので報告する。
【方法】1.植物種子はホモジネイトし、熱水抽出、ろ過後、0.20μmのフィルターを通し、サンプルとして用いた。2.海馬神経細胞は、マイクロプレートに3000個をまき、培養培地中で5% CO2、 37℃の条件下で培養後、Samples 20μLを加え24hr間培養、その後Aβ(10μM)を加え、さらに24hr間培養した。3.その後、酸化ストレス、細胞生存率の測定を行った。
【結果及び考察】酸化ストレス実験において、コントロールより有意に低いSampleは、上位から、Red shiso、Lettuce、Corn、Scallion種子であった。Komatsuna、Qing geng cai、Spinach種子等は、コントロール以上の酸化ストレスとなった。一方細胞死の抑制は多くの種子で見られ、特に、Komatsuna、Corn、Qing geng cai、Bell pepper、Kale、Crown daisy、Lettuce種子等は明らかな細胞増殖促進効果が見られた。今後、種子成分による細胞死抑制機構の解明及びその有効成分についての検討や、各サンプルについての至適濃度について検討する予定である。

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