一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
63回大会(2011年)
セッションID: 2P-23
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5月28日
紅茶の長期摂取が内臓脂肪蓄積に及ぼす影響
*内田 菜穂子吉本 奈央本 三保子鬘谷 要橋詰 直孝
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キーワード: 肥満, ポリフェノール,
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抄録

目的 本研究では、in vitroにおいて紅茶のリパーゼ活性抑制率を測定し、ラットに紅茶添加の高脂肪食を4週間摂取させたときの内臓脂肪蓄積に及ぼす影響を検討した。
方法 [実験1] in vitroにおいてダージリン、ウバ、アッサム、キーマンの4種の紅茶のリパーゼ活性抑制率を測定した。また、紅茶4種の総ポリフェノール量を測定した。[実験2]6週齢SD系雄ラットを3群に分け、それぞれ標準食、高脂肪食、高脂肪+紅茶葉食を4週間摂取させた。毎週体重を測定し、試験終了後の内臓脂肪重量を測定した。[実験3]6週齢SD系雄ラットを3群に分け、それぞれ高脂肪食、高脂肪+紅茶抽出物0.5%食、高脂肪+紅茶抽出物1%食を4週間摂取させ、体重測定、内臓脂肪重量測定を実験2と同様に行った。
結果 [実験1] 4種の紅茶のうち、ウバが最も高いリパーゼ活性抑制率を示した。また、リパーゼ活性抑制率の高い紅茶は総ポリフェノール量が高い傾向を示した。[実験2]体重および内臓脂肪重量は、高脂肪群が標準群に比べ有意に上昇したが、紅茶葉群は高脂肪群に比べ有意な低下を示した。[実験3]紅茶抽出物0.5%群の体重は高脂肪群に比べ低い傾向がみられたが、紅茶抽出物1%群の体重は高脂肪群に比べ3週目より有意な低下を示した。内臓脂肪重量は、紅茶抽出物0.5%群が高脂肪群と同様であったのに対し、紅茶抽出物1%群は高脂肪群に比べ有意に低下していた。
以上の結果より、紅茶の長期摂取は体重増加および内臓脂肪蓄積を抑制することが示唆された。またその効果は紅茶のリパーゼ活性抑制作用による可能性が示唆され、ポリフェノール類が作用成分として関与している可能性が示唆された。

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