一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
63回大会(2011年)
セッションID: 2P-39
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5月28日
集団保育施設の設置形態に着目した食育に関する調査
*阿部 稚里
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キーワード: 食育, 集団保育施設, 幼児
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抄録

【目的】幼児が食育を受ける場として集団保育施設(保育所や幼稚園)があるが、保育所は厚生労働省所管の児童福祉施設、幼稚園は文部科学省所管の学校教育施設という位置づけから、幼児に関わる職員の食育に関する考えや実態が異なる可能性がある。そこで本研究では、集団保育施設の設置形態に着目して食育に関する調査を行い、今後食育活動を行うための基礎資料を得ることを目的とした。
【方法】三重県T市内の保育園54施設および幼稚園50施設を対象に、内閣府の食育に関する意識調査に準じた質問紙調査を行った。主な調査項目は、回答者の属性、食育によって園児に期待できること、実際に園で行っている食育の内容である。
【結果】有効回答数は保育園51施設(有効回答率94.4%)、幼稚園44施設(有効回答率88.0%)だった。有効回答者の主な属性は、保育所と幼稚園で差はなかった。因子分析によって、施設での食育によって期待できること全17項目の回答から3つの因子が抽出された。第一因子を基本的な食教育の重要性、第二因子を心身の健康を維持する重要性、第三因子を一生を通じた食に対する望ましい態度形成の重要性と名づけた。各因子に集団保育施設の設置形態による差は見られなかった。実際に施設で行っている食育の内容は、子どもクッキング、野菜の栽培、行事食に親しむなどが多く、これらに関しても集団保育施設の設置形態による差は見られなかった。
【考察】以上の結果から、幼児に関わる職員の食育に関する考えや実際に集団保育施設で行っている食育の内容には、集団保育施設の設置形態による差がある可能性は低いことが示唆された。

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