一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
63回大会(2011年)
セッションID: 3P-21
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5月29日
ハナタツナミソウのフェノール化合物と抗菌活性
 
*西川 和孝後藤 昌弘
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抄録

目的 シソ科のハナタツナミソウ(Scutellaria iyoensis Nakai)には,D-グルコースの誘導糖であるグルクロン酸が結合した希少フラボノイドを含有することが知られている。そこで,シソ科のコガネバナの代替植物資源として期待されるハナタツナミソウの培養系の確立し,ハナタツナミソウに含まれるフェノール化合物の分析を主目的とした。さらに,応用研究として形質転換根の作出及び機能性評価として抗菌活性の測定を目的とした。
方法 (1) ハナタツナミソウのin vitro培養系を確立する。 (2) ハナタツナミソウのフェノール化合物を各種スペクトルデータ(NMR,MS,HPLC等)により解析する。(3) Agrobacterium法を用いて,ハナタツナミソウの形質転換根を作出する。(4) ハナタツナミソウ(in vitro植物体)の地上部及び根部の抽出エキスの抗菌テストとして,微量液体希釈法による最小発育阻止濃度(MIC)の測定により評価する。
結果 (1) 1/2MS固形培地にてハナタツナミソウのin vitro培養系を確立した。 (2) ハナタツナミソウ乾燥根のMeOH抽出エキスより,各種スペクトル解析の結果,各種フェノール化合物を同定・定量することができた。(3) Agrobacterium法を用いて形質転換根の作出を行った。(4) ハナタツナミソウ地上部及び根部の抽出エキスの抗菌テストの結果,各種抽出エキスは,食中毒菌(Escherichia coliPseudomonas aeruginosa等)に対して,発育を抑制することが明らかとなった。

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