主催: (一社)日本家政学会
会議名: (一社)日本家政学会第68回大会
回次: 68
開催地: 金城学院大学
開催日: 2016/05/27 - 2016/05/29
【目的】小豆や白いんげん豆に含まれるオリゴ糖のプレバイオティクス効果についての報告は、これまでほとんど例がない。本研究では、小豆および手亡(白いんげんの一種)からオリゴ糖画分を調製し、それらの乳酸菌増殖活性と構造特性を調べた。
【方法】小豆と手亡のアセトン脱脂粉末ペプシン消化物に50%になるようにエタノールを加え、可溶性画分にオリゴ糖を回収した。その後、陽イオン・陰イオン交換、2種類のゲルろ過(Sephadex G-25, Biogel P-2)を組み合わせた方法で各オリゴ糖画分を分離した(小豆と手亡2種類ずつ、合計4種類)。4種類のオリゴ糖画分は、4N TFAで加水分解した後、N-アセチル化、ABEEラベルし、HPLCで糖組成分析を行った。次いで、各オリゴ糖画分を0.1%含むMRS寒天培地で乳酸菌(Lactococcus Lactis sp等)を48時間培養し、培養開始時の生菌数に対する48時間後の生菌数の比を増殖倍率として増殖促進活性を調べた。
【結果】各オリゴ糖の資化性は、乳酸菌の種類により違いが認められた。今回調製したオリゴ糖の中で最も乳酸菌増殖活性が高かったのは、手亡の陰イオン交換吸着画分であり、主要構成糖としてマンノースやN-アセチルグルコサミンが検出され、その他にキシロースやフコースの存在も認められた。