一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 2F-07
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口頭発表 5月28日 食物
COX-2およびPPARを標的とした辛味成分の機能性評価
*滝澤 祥恵本郷 翔子中田 理恵子井上 裕康
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キーワード: PPAR, COX-2, 食品機能成分
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抄録

目的 誘導型シクロオキシゲナーゼ(COX-2)はプロスタグランジン産生の律速酵素で、非ステロイド性抗炎症薬の標的として知られ、発癌や生活習慣病にも関与している。一方、核内受容体PPARはリガンド依存性転写因子で、α、β/δ、γのサブタイプが存在する。いずれも脂質および糖代謝等に関与しており、生活習慣病予防の標的として注目されている。我々はPPARγがCOX-2の細胞特異的発現調節に関与することを見出し、COX-2発現抑制およびPPAR活性化を指標とした食品成分の機能性評価を続けている。これまでに、両効果をもつ成分を植物精油や香辛料等から複数同定し、本学会にて報告してきた。今回は、食用植物由来の辛味成分について検討した。
方法・結果
培養細胞系でのCOX-2発現抑制とPPAR活性化は、各々ウシ血管内皮細胞を用いたレポーターアッセイにより評価した。その結果、辛味成分はLPSによって誘導されたCOX-2プロモーター活性をγ非依存的に抑制し、PPARα、β/δ、γを選択的に活性化した。さらに、辛味成分(0.04%)を4週間摂取したマウスでは、PPARα依存的な血漿トリグリセリド量と遊離脂肪酸量の有意な減少、および肝臓のPPARα応答遺伝子群の発現誘導が認められた。以上より、辛味成分はCOX-2発現抑制およびPPARα活性化を介して生活習慣病予防効果を有する可能性が示唆された。

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