一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: P-023
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ポスター発表 5月28・29日 食物
グルテンの添加が米飯パンの物理特性に及ぼす影響
*藤田 沙南村上 陽子
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キーワード: パン, 米飯, グルテン, 物理特性
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抄録


目的 米は、我が国において唯一自給可能な穀物である。しかし、食の多様化や米から小麦粉食品への移行拡大等により、米の生産量・消費量はともに減少している。そこで本研究では、小麦粉の代替として米飯に着目し、米の種類が製パン性に及ぼす影響について検討した。また、副材料としてグルテンを添加し、米飯パンの製パン性に及ぼす影響について検討した。
方法 米飯パン用の米は、中アミロース米5品種(キヌヒカリ、コシヒカリ、ヒノヒカリ、ハツシモ、ササニシキ)、低アミロース米2品種(ミルキークイーン、おぼろづき)とし、いずれも精白米を用いた。小麦粉を米飯で置換したものを米飯パンとし、小麦粉パンの乾物重量として、10~50%を置換した。加水量は、炊飯米の吸水量と合わせて180gとした。尚、グルテンの添加量は、基準となる小麦粉パンにあわせて、粉重量の12%とした。製パン性(比容積、物理特性、色彩構成)に関して得られたデータは、分散分析法(Tukey法)により有意差を検討した。
結果 グルテン添加は米飯パンの物理特性に大きく影響しており、添加したものは無添加のものに比べて比容積が増加し、硬さは減少する傾向があった。低アミロース米は中アミロース米に比べて、グルテン添加による比容積の増加が大きかった。グルテンを添加しても比容積が完全には回復しなかった品種もあったことから、米飯パンの比容積はこれ以外の要因も関与しているといえる。

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