一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 2K-01
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口頭発表 5月28日 家政学原論・国際・環境
鹿内瑞子とへき地教育(第1報)
「鹿内瑞子旧蔵資料」を資料として
*八幡(谷口) 彩子
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抄録

目的 「鹿内瑞子旧蔵資料」の「へき地教育関連資料」は、戦後小学校家庭科の展開を考える上で貴重な資料であるとともに「鹿内瑞子旧蔵資料」を特徴づけるものとなっている。本研究では、「鹿内瑞子旧蔵資料」における昭和30年代を中心とする「へき地教育関連資料」の検討を通して、小学校家庭科が「へき地教育」としてどのように展開したのかを明らかにする。
方法 国立教育政策研究所教育図書館所蔵「鹿内瑞子旧蔵資料」の「へき地教育関連資料」74点(昭和30~55(1955~1980)年頃)を年代順、種類別に分類をして、特に昭和30年代のへき地教育としての小学校家庭科の状況について検討する。
結果 (1)「へき地教育関連資料」は、①研究発表会等の研究集録 ②へき地教育指導者講座の資料 ③複式学級学習指導案 ④複式学級用教科書 ⑤報告書・新聞・雑誌 ⑥その他 からなる。(2)昭和30年代のへき地における教育の実態調査、そうした実態をふまえた教育方法の研究・発表、研究をふまえた複式学級用教科書等教材の編集、という経時的変化が観察される。(3)『へき地の教育』(全国へき地教育研究連盟編集)によれば、「へき地教育振興法」の決議(昭和28年7月)を背景に、へき地における教育振興のためのさまざまな取り組みが始められたことがわかる。(4)鹿内氏は、へき地の実情に合わせた家庭科教育法を開発することにより、地方への家庭科教育の普及をめざした。

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