一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 3E-02
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口頭発表 5月29日 食物
混合培養系を用いた麹による甘酒製造
*竹藤 春香森田 洋
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キーワード: 混合培養, , 糖化酵素
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抄録

目的甘酒は酒粕または麹を原料とするものに大別でき後者を原料とした方が栄養価は一般的に高い。麹甘酒ではAspergillus oryzae (麹菌)が生産するグルコアミラーゼ(GA)及びα-アミラーゼ(α-A)の生産性が重要となる。両酵素の生産性を考えた時、麹菌のGA生産の低さが課題となる。本研究ではAspergillus 属菌とGA生産菌のRhizopus 属菌の混合培養による糖化酵素生産増強を目的とし、さらに混合麹により製造した甘酒の官能評価を行った。  
方法 製麹. oryzaeNBRC5238とR. oryzaeNBRC4716の初発胞子数を制御し、原料米(夢つくし)に接種、培養した。α-A活性1minに試料1mLが1μmolのCNPを遊離時を1Uと定義した。GA活性デンプンから60minに1mgのグルコース生成時を1Uと定義した。 官能試験評価本大学の男女34名をパネルとして3種の甘酒を順位法を用いて行った。 
結果混合麹のGA及びα-Aの最適生産条件は、両菌株の初発胞子数比を1:1で接種した時であった(GA:79U/g,培養70h、α-A:573U/g,培養95h)。続いて胞子数比1:1、培養スケール5kgとして製麹機による実験をした。GAは培養70hに34U/g、α-Aは培養95hに492U/gの活性を得た。官能評価は混合麹(培養45h)が香り、後味で従来の甘酒と比較し評価が高かった。

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