一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 3F-01
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口頭発表 5月29日 食物
瀬戸内海の3つの地域で養殖されたマガキ含有成分の季節変動および養殖地域による違い
*礒野 千晶
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抄録

【目的】 牡蠣はミネラル類、タンパク質やグリコーゲンなどを多く含み、エネルギー源としても優れている二枚貝の一種である。牡蠣は養殖地域や季節によって成分含有量の差が大きいことはよく知られているが、これまで同じ瀬戸内海沿岸の異なる地域で養殖されたマガキ含有成分量の違いについて報告された研究例は見当たらない。本研究では、瀬戸内海のマガキ含有成分の季節変動および養殖地域による違いを解析し、瀬戸内海のマガキの特徴を明らかにすることを目的とした。
【方法】 2012年11月から2013年6月ならびに、2013年11月から2014年6月までの各月に水揚げされた岡山県産、広島県産、兵庫県産のマガキを試料とした。それらの重量、水分、タンパク質、脂質、灰分、グリコーゲン、亜鉛および脂肪酸組成を測定した。
【結果】 マガキの水分含量は、三県産共に11月から4月にかけて減少傾向であった。タンパク質および灰分含量は、採集期間を通じて三県産共に大きな変化は見られなかった。脂質含量は、三県産共に11月から4月にかけて減少傾向であった。グリコーゲンは、11月から2月または3月まで増加傾向であったが、5月から6月にかけて大きく減少した。養殖地域で比較すると広島県産は他二県産と比較してグリコーゲン含量が少ない傾向であった。亜鉛含量は、広島県産が他二県産に比べ多く含まれていた。脂肪酸組成は、11月から6月を通してEPA、DHA、パルミチン酸、オレイン酸の順に含有量が多いことが分かった。

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