主催: (一社)日本家政学会
会議名: (一社)日本家政学会第69回大会
回次: 69
開催地: 奈良女子大学
開催日: 2017/05/26 - 2017/05/28
【目的】牛肉のおいしさの要因としては、遊離アミノ酸・核酸関連物質・脂肪などの成分、テクスチャー、におい成分があげられる。本研究では、近江牛肉とドライエイジング法による熟成牛肉の成分を比較し、呈味成分およびにおいに与える熟成の影響について検討した。
【方法】普通牛肉、熟成牛肉を試料として、水分含量、粗脂肪含量、遠心保水率、色差計による色の測定などを行った。また、SDS-PAGEによるたんぱく質の分析、遊離アミノ酸および核酸関連物質をHPLC法により定量した。においについては、におい識別装置(FF-2A:(株)島津製作所)を用いて分析し、統計処理はSPSSを用いて多変量解析、Asmell2を用いて類似度解析を行った。
【結果および考察】普通牛肉と比較して、熟成牛肉ではグルタミン以外の全ての遊離アミノ酸含量が増加した。一方、核酸関連物質のイノシン酸含量には有意な差異は認められなかった。熟成牛肉では、多汁性の増加、水分含量の減少、粗脂肪含量の増加が認められた。また、においに関しては、普通牛肉とドライエイジング法による熟成牛肉において、異なる傾向のにおいであることが判明した。それは生の場合および焼いた場合において、共に大きな差異が認められた。熟成牛肉のおいしさに影響を与える要因が明らかとなった。