一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: P-031
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ポスター発表 5月27・28日 食物
米粉生地の温度保持処理が米粉製品の性状に及ぼす影響
橋爪 杏奈*佐藤 瑶子香西 みどり
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キーワード: 米粉, 保持処理, 温度, 生地,
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抄録

目的 米粉生地に対する温度保持処理に着目し、粒度、損傷デンプン量の異なる種々の米粉を用い、一定温度保持した生地の物性や成分および加熱後の最終製品への影響を明らかにすることを目的とした。
方法 同一原料米で、製粉方法の異なる4種の米粉の水分含量、タンパク質量、粒度、損傷デンプン量、吸水性を測定した。加水量は90, 110%として、米粉生地を調製した。20~55℃、6または24hr保持した生地について、成分抽出液を調製し、全糖量、還元糖量、遊離糖量、遊離アミノ酸量及び物性を測定した。生地に米粉重量の5%のベーキングパウダーを添加、焼成(180℃、20min)したモデルケーキを調製し、色、比容積及び物性を測定した。
結果 米粉の粒度は32~217μm、損傷デンプン量は1.71~7.30%だった。米粉生地の全糖量、還元糖量およびグルコース量は55℃、マルトース量は40℃、総遊離アミノ酸量は40~45℃で最も増加した。糖の増加には米粉の粒度分布よりも、デンプンの損傷度の影響が大きかった。生地の物性は温度が高いほど硬さ、粘り、付着性が増加し、流動性が低下した。モデルケーキは20、40℃の温度保持により比容積が増加し、焼成直後と放置後(20℃、24hr)の硬さが減少した。一方、45~55℃では硬さが増加傾向にあった。米粉製品の性状には生地の温度保持による内在性酵素の作用とデンプン糊化が影響することが示唆された。

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