一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: P-038
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ポスター発表 5月27・28日 食物
アズキ貝とシロバイのゆで加熱に伴う物性の比較
*岩田 惠美子後藤 昌弘
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抄録

【目的】
 バイ(Babylonia japonica)はエゾバイ科バイ属に分類される巻貝で、北海道や日本海沿岸各地で獲られている。石川県では貝殻の表面にある褐色の斑点がアズキのように見えることからアズキ貝と呼ばれており、日本海側でよく食べられているシロバイに比べると身が硬いといわれている。シロバイはエッチュウバイ(Buccinum striatissimum)などエゾバイ属の総称で小さいものはコバイとよばれている。貝類(バイ)の調理性についての研究が少ないため、本研究ではアズキ貝を食べやすい硬さに調理するための加熱条件を検討することを目的とし、アズキ貝とシロバイ(コバイ)を用いて調査した。
【方法】
アズキ貝とシロバイは金沢市内鮮魚店より殻の大きさを指定して購入し、使用するまで冷蔵庫で保存した。まず殻を取り除き、ゆで加熱は沸騰水を用いて0分、3分、5分間行った。重量の測定は加熱の前後で行い、各時間加熱した試料の厚みと硬さをレオメーター(山電、RE2-3305B)で測定した。
【結果】
 加熱前のアズキ貝とシロバイを比べると、アズキ貝の身はシロバイより薄く、細かったが、硬さ(最大荷重)はアズキ貝の方が約3倍高かった。ゆで加熱によりアズキ貝、シロバイともに重量が減少した。硬さは、ゆで加熱前と比較してシロバイはやや軟らかくなる程度であったが、アズキ貝は加熱3分で硬さが約半分になり、加熱5分でさらに低下した。

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