一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: P-042
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ポスター発表 5月27・28日 食物
エゴマ搾油滓の抗酸化性とクッキーへ利用の検討
*山口 智子小暮 智子坂井 淳一
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抄録

【目的】新潟県の中山間地に位置する阿賀町では、獣害を受けないエゴマの生産を推奨している。エゴマは主にエゴマ油として利用され、豊富に含まれるα-リノレン酸はアレルギー疾患やガン、動脈硬化に効果があることが知られている。本研究では、通常、搾油後に廃棄される搾油滓に着目し、その抗酸化性を評価するとともに、クッキーへの利用を検討した。
【方法】阿賀町産エゴマ種子とその搾油滓を試料とし、搾油滓は粒・粉末・粒と粉末の混合物の3種の形状および焙煎したものを用いた。抗酸化性の評価として、DPPHラジカル捕捉活性と総ポリフェノール量の測定を行った。クッキーには搾油滓を5%または10%添加し、抗酸化性と物性の測定および官能評価を行った。
【結果】DPPHラジカル捕捉活性および総ポリフェノール量は、種子よりも搾油滓の方が高く、搾油滓では粒状より粉末状の方が高い値であった。また、焙煎したものはDPPHラジカル捕捉活性および総ポリフェノール量が低下しており、エゴマに含まれる抗酸化成分は熱に弱いことが分かった。エゴマ搾油滓を添加したクッキーでは、添加量が増えると抗酸化性も高くなる傾向にあったが、官能評価では搾油滓を粒状で5%添加したクッキーが最も好まれた。物性評価より搾油滓を添加したクッキーは割れやすく、また、もろくくずれやすくなることが分かった。エゴマ搾油滓の有効利用により、健康機能を有する地域の特産品としての可能性が示された。

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