主催: (一社)日本家政学会
会議名: (一社)日本家政学会第69回大会
回次: 69
開催地: 奈良女子大学
開催日: 2017/05/26 - 2017/05/28
■目的 浴衣は、和服の中でも一番気軽に着用できる種類であり、着用する頻度も高いと見うけられる。夏のサンドレス感覚で若者には流行が継続して着用されている。しかし、大きく変化を見出す事は難しいが、変化はあると考える。その変化を今回は色について、約30年前より調査し、変化を捉えることを目的とした。
■方法 1953年創刊のハ-スト婦人画報社の「美しいキモノ」は和服のライフスタイルを提案している着物の草分け的存在で若者から婦人までの資料掲載のある雑誌を使用して、1987年「夏号」から2016年「夏号」までを資料として調査した。
■結果・考察 代表的な、白・紺・青の三色は各年代5~6割を占めていることを考慮し、他の色の出現 率について検討することとした。 最初の20年間は、紺・青の割合が多い期間で、ファッションの流行色に影響を受けた色彩が見うけられる傾向であった。色数の変化は近年多様なカラーが見られると共に、浴衣の色数も多く出現している。それ以後の結果も、流行色のパステル系のローズとグレーの淡い色が流行していると、浴衣も白と水色グレーベージュ、赤紫系が見られ、毎年流行色の影響が見て取れる。この結果より浴衣色は、ファッションの流行色に左右されており、代表的な紺・青と白との割合には変化が見られ、30年間では、紺・青から白の割合が増す傾向であった。このように代表的な色を抜きには変化を捉えることは難しい結果となった。