一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: P-129
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ポスター発表 5月27・28日 住居
浴室のカビ予防に関する検討
浴室内の温湿度と水滴量の検証
*吉井 和美杉本 美穂山岸 弘
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キーワード: 浴室, カビ, 水滴, 湿度
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抄録



目的 カビは温度・湿度・栄養の3条件が揃うと増殖が促進される.また,カビの発生は対象表面に存在する「水滴」も関与するとも言われている1).一方,生活者は浴室のカビ予防のために換気や壁にシャワーをかけるなどの工夫をしているが,これらの効果を浴室に残存する「水滴」に着目して検証した事例はない.本研究は浴室のカビ予防の効果的な方法を提案するために,生活者が行っている方法を温湿度と水滴量の観点から検証することを目的とする.
方法 2016年11月に関東在住の12家庭において,入浴後に,窓開け,浴室のドア開け,換気扇作動,壁面へのシャワーかけを組み合わせた8通り(窓のない家庭は6通り)の条件を実施し,1時間後に重量既知のタオルで壁と床を一定面積ふき取って水滴量を測定した.同時に4時間後まで浴室内の温度・湿度を測定した.
結果 水滴量が比較的少なかったのは「窓開け」「換気扇作動と浴室のドア開けの併用」「温水のシャワーをかけて換気扇作動」の条件であった.シャワーに冷水を使った条件では水滴量が多く,水温による違いが見られた.温湿度に関しては,窓を開けると速やかな低下が見られた一方,冷水のシャワーを壁にかけても浴室の温度低下が顕著に見られないなどの興味深い結果が得られた.本報告ではこれらの結果を元に,カビ予防のための効果的な浴室環境づくりの方法を提案する.
[文献]1)李憲俊,カビの科学,日刊工業新聞社,2013,64-67

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© 2017 一般社団法人 日本家政学会
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