主催: (一社)日本家政学会
会議名: (一社)日本家政学会第69回大会
回次: 69
開催地: 奈良女子大学
開催日: 2017/05/26 - 2017/05/28
【目的】
「女性活躍推進法」の「202030」など女性の職場での活躍が社会的課題の1つとなっている。新入社員を対象とする産業能率大学の継続的調査では、男女とも管理職志望割合が上昇しているが、学術研究では女性の昇進意欲の低さを指摘するものが多い。この一因に、質問の仕方・内容(wording)があると考える。「どこまで昇進したいか、部長か、課長か」と役職で質問するときと「同期よりも早く出世したい」と昇進意欲を質問するときで有意な男女差があるか、確認する。
【方法】
首都圏在住の23-29歳・大卒で、総合職として従事している雇用者男女を対象にインターネット調査を実施した(男性200、女性200)。回答者の平均年齢は男性26.5歳(SD±1.81)、女性26.3歳(SD±1.94)である。研究1:2タイプの質問の仕方による男女差の有無の確認、研究2:昇進意欲・心意気に上司・同僚からのサポート、仕事意欲や自己有能感との関連をパス解析により明らかにする。
【結果】
研究1:「どこまで昇進したいか」と「役職」で質問した場合には男女で有意な差が確認された。しかし「同期よりも早く出世したい」など昇進意欲を独自尺度で質問すると、有意差は確認されなかった。研究2:上司からのサポートがあると、仕事意欲や自己有能感にプラスの影響を与え、昇進意欲が高くなるプロセスを確認することができた。