一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: P-147
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ポスター発表 5月27・28日 家政教育
「食生活」題材の導入時にDNA抽出実験を用いた授業の評価
*上田 悦子大坪 千尋藤田 宏美大塚 譲
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抄録

【目的】高校「家庭基礎」における食生活の学習では、個人の生活をもとに様々な食の観点から課題を見つけ、安全でより良い食習慣を身につけることが求められている。生徒は食品の表示、保存、添加物、食中毒などの基礎的な内容を学習し理解しているが、自身が何を食品として摂取しているのか意識していない者も多い。そこで食生活学習の導入時に、他の生物の栄養として食物を摂取していることを意識させる教材を開発し、アンケート分析を通してその有効性を検討した。
【方法】調理器具を用いて食品である野菜と果物からDNA抽出をする実験授業を、県立高校普通科1年生を対象に実施した。生徒及び教師へのアンケート調査を行い集計・分析を通して教材の有効性や課題を検証した。
【結果】生徒は、実験用具が扱いやすく、実験内容もわかりやすかったと感じていた。また家庭科での実験が楽しく、面白かった、普段自分が食べているものにDNAが含まれていると確認できた等、高い関心を示していた。教師は今後の食の安全の学習において、本実験学習の結果を活用していきたいと考えていた。特に遺伝子組換え食品の学習ではそれらを実感しにくい生徒が多いが、実際にDNAを見る事によって興味・関心が高まる事を期待していた。「家庭基礎」での学習が科学と生活の融合であることを理解し、学んだことを生活の食品選択等の場面で生かすためには、理科教員と連携した指導の必要性が示唆された。

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