一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: 3D-09
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口頭発表 5月28日 震災・国際
学童保育施設指導員の防災意識と対策に関する調査
*生田 英輔
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抄録

目的 学童保育施設中でも学校外に設置される施設の災害時の安全性確保に関しては、施設や運営が多様であることもあり、建物・設備・人的対応等において課題が多い。限られた資源で運営されている施設も多く、指導員の防災意識を高め、ソフト的な防災対策を利用児童も含めて検討することは効果的である。本報告では、学童保育施設の指導員に対するアンケート調査の結果から、指導員の防災への意識や対策状況を明らかにすることを目的としている。
方法 大阪市の留守家庭児童対策事業を対象とする。大阪市が実施した指導員研修会に参加した指導員に対してアンケート調査を実施し、82名(82施設)から回答が得られた。大阪市内の当該施設は106か所であり、回収率は77.4%である。
結果 施設の事業主体では保護者会が47施設(58.8%)で最も多く他は社会福祉法人等であった。災害対策が不安な災害としては地震対策が最も多く、有効回答のうち59施設(98.3%)、ついで火災対策43施設(71.7%)であった。建物構造に関しては、有効回答のうち耐火・準耐火構造は8施設(13.6%)であったが、「不明」も多く建物構造への関心がやや低い傾向であった。家具の固定は概ね3-5割程度であった。施設の特性上、備品や書籍が多く収納に苦慮している状況がわかった。防災マニュアルは7割程度の施設で策定されており、防災訓練はほとんどの施設で実施されていたが、避難経路の閉塞など実際の災害時を想定した訓練を実施している施設は少なかった。

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