一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
70回大会
セッションID: P-112
会議情報

ポスター発表
モダン・ブリティッシュ・ファションとしてのエステティック・ドレス
*坂井 妙子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

本研究は、19世紀後半から20世紀初頭にイギリスで発達したエステティック・ドレスの特徴を捉え、モダンなブリティッシュ・ファションであることを示す。この時代に、エステティック・ドレスがイギリスで一世を風靡したことは良く知られているが、歴史的な衣服を参照した、どちらかといえば懐古的で突飛な衣服と考えられてきた。または、エステティック・ファッションの提唱者たちが合理服協会と関係していたことから、革新的な衣服とも考えられてきた。

本研究では、クリストファー・ブルワードがThe London Look (2004年)で提案したモダンなブリティッシュ・ファションの考えを採用する。エステティック・ドレスを彼の考えを使って評価し直すことで、混乱しているように見えるエステティック・ドレスの諸特徴がモダン・ブリティッシュ・ファションの4つの要素、すなわち、「伝統、革新、オルタナティブ、スタイルの融合」に当てはまることを突き止める。それぞれの要素は、ラファエル前派の絵画作品、ファション誌の記述、リバティー商会のカタログと現存するエステティック・ドレスの考察から導く。

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top