東京家政学院大学紀要
Online ISSN : 2434-7922
Print ISSN : 2186-1951
保育者が抱える一時預かりの困難さと関連要因
井上 清美
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2022 年 62 巻 p. 5-17

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抄録

一時預かり事業とは、保護者が家庭で子どもの世話をすることができない場合に、保育所や幼稚園、地域子育て支援センター等で一時的に子どもをあずかる事業である。少子化対策の中で急速に普及した一方で実施体制や保育方法は統一されておらず、担当者は困難さを抱えながら保育を行なっている。本稿では一時預かりの困難さを量的に把握し、関連する要因について検証した。A 県内の全ての認可保育所を対象に質問紙調査を実施し、一時預かりを担当する保育者の属性、一時預かりの保育環境、一時預かりの専門性とその評価について多変量解析を行った。分析の結果、勤務形態や母親規範、利用する子どもの数や料金などで有意な関連性が見られた。専門性の高い実践をしている保育者ほど困難さが高く、困難さは保育者の疲労度やストレスに影響を与えていることが明らかになった。

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© 2022 本論文著者

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